当初は別の車名を予定していたが、北米や欧州の現地法人の意見や現地における語感を考慮して「インサイト」とした。
スタイルはライバルのトヨタ・プリウスに対抗するために5ドアハッチバックとした一方、3ナンバーサイズであるプリウスより
小型な5ナンバーに留めた。
初代モデルとはファストバックスタイルのハッチバックボディを採用したことや、リアのエクストラウィンドウなどが共通するが、
5人乗りの5ドアであること、リアホイールスカートが無いなどの点が異なる。
また、コストダウンのため初代のアルミフレームボディは採用せず、フィットへ用いられた既存コンポーネントをベースに極限まで軽量化を施した。
ホンダの他車と約1万点の部品を共通化し、ニッケル水素バッテリーは初代の20本(7.2ボルト〈V〉×20本=144V)、
2代目シビックハイブリッドの11本(14.4V×11本=158V)に対し、性能を向上させた結果、7本(14.4V×7本=100V)までに削減するなど、
徹底した効率化を図った。その結果、価格は北米市場でベースモデルで2万ドル、日本市場でベースグレードとなる「G」は
オーディオレスながら180万円(車両本体価格)で発売された。
先代と同じくIMAシステムをパワーユニットの基本とし、実用燃費の向上を目指して「エコロジカル・ドライブ・アシスト・システム」
と称する省燃費モニターを全車に標準装備する。すでに4代目オデッセイなどで採用されているECONモードに加え、
アクセルやブレーキの操作でスピードメータの背景色であるアンビエントメーターの色が変化してリアルタイムに燃料消費状況を
意識させることで低燃費運転に寄与する「コーチング機能」と、メーター内のマルチインフォメーション・ディスプレイ画面内で
燃費運転をリアルタイムで採点し、リーフのアイコンでその日のエコドライブ度やその日までの累計のステージ表示を知らせる
「ティーチング機能」を備えている。この「ティーチング機能」は、オプションのカーナビゲーションと組み合わせることで、
詳細情報の表示も可能となっている。
IMAシステムは新たに1.3LのLDA型を搭載し、トランスミッションはCVTのみ。パワーユニット自体は2代目シビックハイブリッドと
同じであるが、i-VTECは可変シリンダーシステム(VCM)としてのみ機能する。VCMにより全気筒を休止させ、
シビックハイブリッドと同様のモーター走行も可能になった。カリフォルニア大気資源局が認定するAT-PZEV
(Advanced Technology - Partial Credit Zero Emission
Vehicle:ゼロ排出ガス車として部分換算される先進技術搭載車)
の条件によりモーター出力は10kW以上を要し、バッテリーは7本で電圧は100.8Vとされている。
ホンダは、2008年
以降発売される地球環境を意識した車両を「Honda Green Machine」と称していた時期があり、インサイトは
「グリーンマシーン1号」であった(2号は2代目シビックハイブリッド)。